コンビニのレジで固まった瞬間

 固まったのは店員のオバサンだった。148円のドリンクを「ピッ」っとバーコードで読んだ後、私は153円を小銭入れから出した。

 両者が固まったのは3秒だった。意外に永く感じるものである。つられて固まっていた私が「5円のお返しです」と声に出しそうになる頃、ようやく我に返ったようにことが進んだ。

 私が言うのも何だが、彼女は疲れていたのかも知れない。外人はこういう引き算がレジでできないとよく言われるが、日本人も「ピッ」に依存するとそのうちこうやって固まる人が増えてくるのかも知れない。