「どろぼうさん!」と車内で言い放ったわが子

 珍しく電車で出かけた日、何気なく親子で座っていたところ、しばらくして中年カップルが入ってきた(まさに「カップル」という感じ)。

 その年齢にしては結構おしゃれだと思っていた。そして、タイトルの発言。「あ、どろぼうさん!」と3歳になった子は言った。指をさしていたかどうか忘れたが、半径3m以内の空間に0.1秒ほど水を打ったような張りつめた空気が流れた。

 そう、キャップをかぶってサングラス。髭も何となく崩しているのだ。3歳の子が考える「どろぼうさん=ギャング」そのものである。

 かなり肝を冷やしたが、「銀行ギャング」などとより具体的な名前でなかっただけ罪がないとしておきたい。