月命日

 父の月命日だった。実家で療養しているため私もお坊さんの後ろでお参りしていた。

 かれこれ20年になる。20年前と言えば、携帯はない、PCも普及していない。インターネットはまだその原形ができあがった頃だろう。そろそろバブル景気へ一直線という頃だろうか。当然私もまだまだ少年であった。少しだけ思いを馳せた。

 こうして、たまに過去を振り返るのは悪くないことだなと思う。でも、療養していない普段の生活ではまずこんなことしないなとも思えてくる。

 遅い梅雨入りらしい。一日雨が降っている中でぼーっとこんなことを考えていられるのは幸せだなと思った。