「ワーキングプア」を読んで

 昨年NHKスペシャルで2回にわたり放映された「ワーキングプア」が活字になっている。
ワーキングプア―日本を蝕む病
ワーキングプア―日本を蝕む病

 若者、地方、女性といった切り口で、今の日本で静かに進行している、精一杯働いても生活保護水準以下の生活を強いられる人々の厳しい現実が描かれていた。
 政府は「自立」ということばをよく用いるが、体の限界まで働きづめの人に「自助努力が足りない」などとは誰も言えない。もはや個人の努力で自立できない社会環境がそこにあると思う。

 今進行中の、際限のない価格競争。80年代後半から90年代はじめにかけて「価格破壊」という言葉が流行ったが、価格には「賃金」が入ってくるというのは経済学の常識じゃないのかな?どうしてその現象が遅れたのかは分かりませんが。とその方面に疎い私は突っ込んでしまうのだった。